季語道楽

季語道楽(53)西日本歳時記ほか    坂崎重盛

と、よりみちはこのくらいにして、さっきから、妙に存在感のある函入りの歳時記が視界の隅に入っている。手にとろう。 『定本西日本歳時記』小原菁々子編(昭和五十三年・西日本新聞社刊)。 “定本”の文字が、こちらに微妙な圧をかけ...

季語道楽(52)必携季語秀句用字用例辞典に驚く 坂崎重盛

この季語用語用例辞典の編者の名に気付いて入手した。︱︱齋藤愼爾。 もう四十年ほど昔になるだろうか、新宿御苑の近くの古い建物の二階にAという居酒屋というかスナックがあった。そこをきりもりしている女性の、素朴な印象ながら知的...

季語道楽(51)”角川一家”の歳時記の傑作を… 坂崎重盛

ぼくが初めて手にした歳時記は誰の編のどんな本だったのだろうか。おぼろげな記憶をたどってみることにした。 新潮社の文庫版の歳時記は、その時々の句会の用のために、その季節の分(春るなら春の巻)をバラで入手したはずだ。 三省堂...

季語道楽(50)水原秋桜子と山口誓子  坂崎重盛

虚子の「客観写生」「花鳥諷詠」にあきたらず「ホトトギス」のもとから飛び立った「四S」の一人、水原秋桜子と、それに呼応するように行動を共にした、「四S」の中のもう一人、山口誓子、この二人の歳時記と、彼ら、それぞれの理念や作...

季語道楽(49)虚子中心、俳句運動史のおさらい 坂崎重盛

大正から昭和前期、日本の俳壇に「ホトトギス」王国を築いた観のある、その主導者・高浜虚子の「客観写生」「花鳥諷詠」にあきたらなくなり、それに反旗をひるがえすことになる水原秋桜子と、それに呼応した山口誓子の歳時記にふれるまえ...

季語道楽(48)好戦的俳人?いや、俳人的哲学者  坂崎重盛

九冊の虚子文庫本の拾い読みを楽しんだ。そして、虚子のことを、ほとんど知らなかったことを思い知らされた。ぼくが知る虚子とは、その俳句の代表句のごく一部と、子規とともに俳句にかかわってからの、ほとんどがエピソード的側面のみ。...

季語道楽(47)虚子意気軒昂!     坂崎重盛

さて、先行するもう一人の巨人・虚子︱︱“花鳥諷詠”“客観写生”を唱えて、正岡子規のあとをつぎ「ホトトギス」を根城に、俳壇を牛耳ることとなった虚人、いや巨人、高濱虚子が編者となった歳時記、そしてさらにポータブル、いやポケッ...

季語道楽(46)金子兜太『わが戦後俳句史』 坂崎重盛

戦後の前衛俳句のリーダー、しかも宗匠的権威主義ではなく、直情的、真摯でであるものの、どこか朗らかなガキ大将的キャラクターの金子兜太の単刊歳時記等にふれ、今回は、その対極的ドン、近代俳句史の大黒柱的にドカッと存在した虚子(...