季語道楽

季語道楽(45)さすが!兜太歳時記の独創性    坂崎重盛

さて、金子兜太がかかわった単巻(一冊本の歳時記)を手にとることにしよう。 と、その前に、各種ある歳時記のなかで、一冊にまとめた書籍を、ぼくは仮に“単刊歳時記“、「春・夏・秋・冬・新年」などと複数册で一揃えのものを、”複刊...

季語道楽(44)俳句嫌いだった著者の俳句啓蒙書 坂崎重盛

今回は、戦後の前衛俳壇を引っぱってきた頭目のひとり、金子兜太が編集にかかわる単巻歳時記を見てみようと予告したが、あることが心に引っかかっていたので、やはり、まずはそれを取り上げたい。この稿、もともとまるで俳句を即席で作る...

季語道楽(43)いよいよ「季寄せ」「歳時記」本の本丸へ① 坂崎重盛

吟行などの携帯のための「季寄せ」は後でふれるとして、いわゆる「歳時記」本(歳時記的事典や辞典も含めて)には、本造りの形として、大きく分けて二種類ある。 一巻完結編集もの(仮に単巻歳時記、単巻本と呼ぶことにする)と、われわ...

季語道楽(42)またもや寄り道—文人俳句の妙にふれる  坂崎重盛

前々回、室生犀星の句に接し(あの、犀星の句集はどこへ行ったのかなぁ)と思案していたところ(もしや)と思ったところから出てきました。内田百閒や夏目漱石の復刻版・漱石俳句集といっしょに、透明のプラスティックケース(A4サ...

季語道楽(40)隠れ歳時記の自在さ−3  坂崎重盛

タイトルに歳時記とは銘打ってないものの、なんとなく入手していた俳句本を、手にしてページを開いたら、実際の構成は、歳時記だったりする。今回はまず、森澄雄編『名句鑑賞事典』(一九八五年・三省堂)を見てみよう。 新書版より、わ...

季語道楽(41)一寸寄り道歳時記・季語集  坂崎重盛

あるテーマに特化した歳時記・季語集を巡ってきたが、そろそろ、いわゆるオーソドックスな歳時記の世界を訪ねて、大団円としたい。と、思ったすぐあとに(まてよ、いわゆる“食”をテーマとした歳時記にふれてなかったな)と。気がついた...

季語道楽(39)隠れ歳時記の自在さ(その2) 坂崎重盛

“死”と“笑い”の歳時記   前回、太宰治、久保田万太郎の忌日が、夏の季題になっていることにちょっとだけふれて、先に進んでしまった。市販の一般的な季寄せや歳時記を手にする人なら周知のことながら、巻末の「付録」の...

季語道楽(38)”隠れ歳時記”の自在さを楽しむ(1)坂崎重盛

「歳時記」とは銘打つものの、単なる随想、エッセイ集だったりする本も、まま、あるが、一方、エッセイ集かなと思いつつも手に取ってみると、これが、きちんと四季折々の句が添えられていて、歳時記のバリエーションとして、無視できない...