あと読みじゃんけん

あと読みじゃんけん (18) 渡海 壮 秘宝館という文化装置

「こんな本をよく見つけて、しかも買ったね!」と言われそうだが、我ながらそう思う。妙木 忍 著『秘宝館という文化装置』(青弓社刊)の表紙を飾る写真は、栃木県日光市の「鬼怒川秘宝殿」の目玉展示、マリリン・モンローだそうな。有...

あと読みじゃんけん (17)  渡海 壮  熔ける

井川意高著『熔ける』(双葉社刊)は帯にあるように「カジノで106億8千万円を失った男の懺悔録」である。 ティッシュペーパーなど<エリエール>ブランドやこの名を冠した女子プロゴルフの大会スポンサーで知られる大王製紙の前会長...

あと読みじゃんけん(16)渡海 壮 ビーチコーミングをはじめよう

まもなく梅雨明け、海水浴シーズン前の海辺はビーチコーミング(=漂着物さがし)には絶好の季節である。折しも台風一過、大量の漂着物が打ち上げられている光景を想像していると海辺の漂着物博士、石井忠さんからいただいた『ビーチコー...

あと読みじゃんけん (15)    渡海 壮 日本の探検家たち

この連載10回目に角幡唯介の『探検家36歳の憂鬱』(文藝春秋)を取り上げたが、もう一冊、探検記マニアの私の蔵書から滋賀県の「西堀榮三郎記念 探検の殿堂」が創館記念に発刊した『日本の探検家たち―未知への挑戦』を紹介しよう。...

あと読みじゃんけん (14)    渡海 壮 野蛮人の図書室

ベッド脇の本棚には買ってきたばかりのから買って久しいのまで本や雑誌が置いてある。それ以上入らなくなると仕方なく整理するのだが、何冊かは「近いうちに読むだろう」ということでそのまま置いている。もちろん手つかずの本や読みだす...

あと読みじゃんけん (13)   渡海 壮 惜檪荘だより(その2)

実はこの『惜檪荘だより』(岩波書店)を読むまで、知らなかったというか、気付かなかったことがある。著者は人気時代小説の『酔いどれ小藤次留書』や『居眠り磐音 江戸双紙』シリーズなどで活躍しているのはご存じの通りだが、1970...

あと読みじゃんけん (12)   渡海 壮 惜檪荘だより(その1)

岩波書店の創業者・岩波茂雄は太平洋戦争が始まる直前の昭和16年(1941)9月、熱海・伊豆山に別荘を建てた。眼下に熱海湾、正面には相模灘に浮かぶ初島、遠くに大島を望む絶景の地だ。設計から施工までのすべてを任された建築家・...

あと読みじゃんけん (11)  渡海 壮 本で床は抜けるのか

西牟田靖の『本で床は抜けるのか』(本の雑誌社)は、蔵書家の不安な気持ちを射止めるそのものズバリの題名である。帯には、気づけば部屋中本だらけ、床抜け危機、勃発!家族も巻き込む蔵書問題へ果敢に挑んだ体験記・・・と「読まねば」...