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私の手塚治虫第22回   峯島正行

  • 2015年1月31日 17:59
手塚のナンセンス漫画「サイテイ招待席」の主人公フースケ

手塚のナンセンス漫画「サイテイ招待席」の主人公フースケ

爆笑、微笑、冷笑、苦笑

漫画集団の中の競争相手

手塚が、漫画集団に入ったのは、昭和三九年だった。同時に入った漫画家に、当時の大人気漫画「アサカゼ君」の作者、サトウサンペイ、芸術派漫画家として、知的な笑いの井上洋介、サントリーの広告漫画を描いて、日本にウィスキー嗜好を根付かせた柳原良平などという、ある意味で一世を風靡した作家たちだった。この名前を見ただけで、当時の雰囲気が伝わってくるようだ。

手塚より二年ほど前、昭和三七年一一月には、小島功、久里洋二、鈴木義司、富永一朗、長新太の五人が入っている。何れも個性的な漫画をもって鳴らした連中だ。

手塚の親友、馬場のぼるは既に、おおば比呂司、谷内六郎と共に、五年前の昭和三四年一月に入団しているのだ。だから集団では、馬場はちょいとした先輩だったのである。

いずれにしても、ここに上がった名前を見ただけで、当時の大人漫画の盛況ぶりが偲ばれる。 手塚に遅れること、一年半で園山俊二、福地泡介が入団し、続いて砂川しげひさらが入団し、秋竜山も入会するとういうぐあいで、当時のナンセンス漫画の繁栄ぶりがうかがわれる。

園山俊二、福地泡介、東海林さだおの三人はともに早稲田大学の漫画研究会出身で三人がマスコミを大いに賑わし、漫画界の三派全学連と揶揄された。

こうして、ナンセンス漫画は、「漫画読本」「週刊漫画サンデー」「週刊漫画タイムス」等々青年漫画誌を中心に、黄金時代を築いた。

手塚もこの時代の、ナンセンス漫画に先輩同僚、後輩と交流しながら、自らのナンセンス漫画を洗練させていった。そういう手塚のナンセンス漫画の頂点に立っているのは、「漫画サンデー」誌上に,昭和四四年一〇月一日号から「サイテイ招待席」というタイトルで始まった、連作読み切り漫画である。月に一度の連作方式で、一話、24ページの長編。以前に紹介したシチュエーション漫画の方式で描かれたものである。これは、翌四五年の六月まで続いた。

毎回、時代を変え、場所を変え、主題を変えて、毎回パッとしない、あまり気のきかないフースケなる人物が主役として登場する。手塚の主張する、シチュエーション漫画の典型でもある。

シチュエーション漫画の主人公について手塚は次のように述べている。

「シチュエーション・コミックの主人公は、ぼんくらで、ぐうたらで、ピエロで、あたりまえの人間がいい。ちょっぴり抜けていて、なにかわけのわからないことがおきたら、オタオタ、ウロウロ、オロオロするような人物がいい。(中略) まあ、はっきりいうと、シチュエーションそのものがおもしろければ、主人公は狂言回しで、説明役にすぎない」(講談社版手塚治虫漫画全集「フースケ」あとがき)

「サイテイ招待席」シリーズでは、フースケは手塚の期待に見事応え、シチュエーションの変わるごとに、オタオタ、ウロウロ、としながら新しい笑いを次々創造してゆく。

この漫画は当然、当時の文春漫画賞に値する作品だったと思うのだが、保守的でイワユル芸術性にこだわる当時の審査員が、見逃してしまったために、候補にも上がらなかった。

手塚が漫画賞をとるのは、ずっと後年になって、昭和五八年に「漫画読本」に発表された劇画「アドルフに告ぐ」まで待たなければならなかった。「アドルフ」は純然たる劇画タッチである。「サイテイ招待席」の方が、漫画賞には、ずっとふさわしい作品だったと思われる。

この作品は、終了した直後、実業之日本社から、中の一話の題名をとって「ペックスばんざい」の題名で、作品のうちから七話を選び、出版された。発行は昭和四五年八月であった。

講談社版の全集では、「フースケ」という題名で、漫画サンデーに載った一〇作品と後に、昭和四七年に「小説サンデー毎日」に掲載した一作品を加えて、編集されている。

これらの中から一作品の内容を以下に紹介してみよう。「無能商事株式会社」という作品である。

無能商事という会社

無能商事の南似茂千太郎(なにもせんたろう)とフースケ

無能商事の南似茂千太郎(なにもせんたろう)とフースケ

敗戦のどん底から、世界第二の経済大国となった日本、それを担う大企業の中では、社員は実力競争に晒されている。同窓とか同郷とか、幹部の縁者といった派閥なんか通用しない。完全な自由競争の世界となった。落ちこぼれとか、無能力なものは、容赦なく、打ち捨てられていく。

こういう現象を、経営者としては、見捨てて置くことはできない。

社員同士、猛烈人間がぶつかり合い、友を友と思わず、人を見たら仇と思い、弱肉強食、社内は殺伐としてくる。これでは、気分よく社業に励む事も不可能になり、新規事業のためにプロジェクトを組むことも出来なくなる。そして無能の印を押されたものは、社内の競争に無関心、あくびをしながら一日過ごすことになる。ご存じ、下村フースケは、その無能社員のNO・1なのだった。

フースケは机の前でなかなか仕事に掛からない。出勤途上、貰った広告を見たり、鼻くそをほじったりしている。それを課長に咎められる。

「周囲の人を見てみろ、みんな仕事に熱中しておる。君は東大を最低の成績で出て、運よくわが社に入った。あの当時は学閥が物を言った。いまはぜーんぜん、そんなものはなんの役に立たん。実力の世界では君は無能だ!」

無能と怒鳴られる度に、向かいの女性社員の膝をむき出しにした足を見ながら、台風の去るのを待つのが、癖になっている。

「君が役に立たないことは、社内中がみとめている。それでも君は平気なのか」

と課長は怒鳴りつづける。

「そうだ、君は席を替わるのだ。ずーっと隅の塵籠の隣だ。君がいるところは新しい人間が座るのだ。早く移れ」

フースケが慌てて机の上を片つけると、課長は新入社員を紹介した、

「南似茂(なにも)千太郎くん!彼はある会社からわが社に出向なんだ」

南似茂は、目尻と眉が垂れ下がり、団子っ鼻の下が長い、間延びした顔をしていた。彼の机は、隅っこのフースケと、向き合う場所だ。フースケを見てニャリと笑った。それから、彼は女子社員が出したお茶を飲み、漫画雑誌を出して、悠々と腰掛の背に寄りかかって読み出した。その後、新聞を読み、机の上につっぷして居眠りを始めた。課長が怪訝な顔をして、前を通り過ぎた。その有様を見てフースケは「こりゃ相当の豪傑だぜ」とつぶやくのであった。

一方こちらは社長室。専務が呼ばれている。

「○○町にある無能商事から、毎月缶詰を仕入れることにした。倉庫を開けて置け」

と社長はいう。

「今時、缶詰?御冗談を」

「いや君、ビデオカセットというものが開発中らしいな。いまや、音も映像もカンヅメ時代じゃ。ウチもカンヅメを仕入れる」

なお怪訝な顔をする専務に、

「君はわが社を築いたこのわしの計画を疑うのかね」

社長に脅かされて、専務は唯々諾々と下がる。その月末、大型幌付きトラックが、倉庫前に到着。

「無能商事です」

缶詰がトラック一台分届いたのであった。それを下す従業員は、その軽さに驚く。「空じゃねえのか」とそれをお手玉のように扱う労働者に、担当部長が出てきて、

「こら玩具にしてはいかん。ちゃんと数えて倉庫に丁寧にしまえ」

と怒鳴りつける。

そのころ、フースケは喫茶店で、南似茂とお茶を飲んでいた。

「南似茂さんは前の会社ではどうだったんですか。」

「なにしろ社長に呼ばれてな、じかに君は出向せよといわれたんだ。向こう三年間、係長待遇でさ…」

「貴方がこっちへ来るとき、皆はどうだった」

「いや皆淋しがってね、何しろ僕は実力者だったから」

「それは信じられない」

「それじゃ僕が無能社員だったというのか。僕にけちつけるの」

「いやー、かえって感謝したい気持ちです。あなたが来て1か月、ぼくはほとんど怒られなかったんです」

フースケはオフイスの一場面を、頭に描きだす。

南似茂の席は上役や多くの社員たちに囲まれている。

「この書類は何です」

「こっちの報告書もやり直してください」

「計算が間違ってますよ」

と、口々に責めつけられている。それを遠くから見て、フースケは、い、ヒ、ヒ、ヒッと笑っている。

やがて部長、課長たち、上役が集まってくる。

「計算はくるう、字は読めない、おまけに君の電話の声はふにゃふにゃで聞き取れん」

と部長が言えば、経理課長は「車代がなぜあんなに多いんだ」と怒鳴り、総務の主任は「廊下で三回もインク瓶をひっくり返したり…」とがなり立てる。

やがて彼ら同士が話し合う。

「よくあんなのが、うちにきたもんだ、だれの紹介で入ったのかなー」

「社長だってさ」

「たぶん親戚なんだろう」

「各課に一人ずつ、ああいうのが入ったんじゃないか」

「だけどああまでひどかぁねぇだろう」

午後一時過ぎ、課長がやってきて、「南似茂はまだ戻ってこんのか」

フースケはその様子を見て、彼、やられるぞ、と期待を込めて様子を見ている。やっと戻ってきた南似茂に、課長が怒鳴りつける。

「ナニモくんッ」

「はァ」

「はァ、じゃないッ、時間の観念がないのか君は、君は無能だ!」

それをみてフースケはこう呟く。

「俺もああいわれたことがある。ああ人が言われているのを聞く気持のよさよ」

と呟く。

ところでその後、南似茂が社員旅行の幹事を命じられた。バス何台も連ねて、温泉地に行くのだが、各車両に乗車する人数がでたらめで、ぎゅうぎゅうのバスもあれば、パラパラしか乗らないバスもあり、社員たちはかんかんに怒った。その人員配置をした南似茂は、社員たちにっよって浴衣のまま、温泉の湧いている湯船に放り込まれた。

その南似茂を慰めにフースケが風呂場に出かけてゆく。

「おい酷い目にあったな」

というと、

「広間に行くとつるし上げに会うから、めしの間は、ここにいるよ」

そういう南似茂の胸に大きな

「M」という字の刺青があるのを見つける。みんなのいる場所に戻った、フースケはそのことをみんなに告げる。

「彼女の頭文字かしら」

「無能のMかしら」

「無能商事KKっての知ってる」

すると中年の社員が、

「無能商事ってのは、社長が変な缶詰をどっさり仕入れている取引先だってことだ」

「Mのマーク、無能商事…、それから変な缶詰、こりゃ何かありそうだな」と別の社員。

「つまりだ…社長は裏街道でこっそり密輸をやってんだ。マリファナか何かを缶詰にして…」

するとフースケは俄然正義感ぶりを発揮して

「よし!俺が倉庫を調べる、」

幾日かたって、深夜、秘かにフースケは、倉庫に忍び込んだ。

「これも社のため、法のため」と怖さをこらえて忍び足で、真っ暗な倉庫の荷物に近づく。うずたかく積まれた缶詰の箱を一つ一つ開けていく。然しどれもこれも空っぽ。次の缶詰の山をくずして一つ一つ調べる。全てが空。「これは詐欺か、ペテンか」

とフースケが叫んだその時、だれか倉庫に入ってくる音がした。しまったと思ったがもう遅い。忽ちフースケはみつけられた。その人物は社長だった。

「やぁ、君か、君だと思った。許すから安心してこっちに来なさい」

「これどういうからくりなんス。この缶詰、カラだと知っててなぜ買ったんです!」とフースケは開き直る。社長は「むふふ」と笑って

「これにはわけがある、まあ飲みながら話そうじゃないか」

と、バーのカウンターで、社長が話す。

「あの無能商事から買った缶詰は空気の缶詰だ。ハハハッ、驚くことはない。それは上っ面…。実は、ありゃ支払伝票のようなものでな」

それから社長は語る。

「なにを隠そう。無能商事というのは無能な社員をいろんな会社に出向させとるんじゃ。あの総務の南似茂千太郎なァ、ありゃ無能商事から来た男よ。

企業も社員も実力勝負になると、どうしても雰囲気がぎすぎすしていかん。社員は欲求不満、嫉妬、ストレスやらで、はけくちを求める。

そこに無能な奴がそこにいると、そいつに怒鳴り散らすことで、気分を晴らす。また、最低社員も、自分よりさらに無能な同僚がいるとコンプレックスは感じない。無能商事はそういう人間を貸しとるんじゃ。

うちの会社も各課に一人ずつ雇って、日がな一日怒鳴られて、それを全部メモしておいて、月末になると、その数だけ缶詰が来るんじゃ。」

「さっき最低社員と言いましたね。誰の事ですか」

「今だから言うが君のことだよ。しかし悲観するな、南似茂がきてから、君は一心奮起した。だから倉庫にまで忍び込んだ。頑張れよ」

フースケは一人になって呟く.南似茂の胸にあったのは、無能商事のイニシャルであったのか。

それから間もなくフースケは会社を辞めた。真相を知った今になっては務まるものか。彼は別の会社に入った。

そこでめきめき実力を発揮した。月給もあがった。それで結婚することになった。新婚旅行先の温泉の中で、胸に彫られたMの字の彫り物を、新妻に見つかった。

フースケ曰く「きみの会社にもMのイニシャルの男がいるかもしれませんよ」

以上が、「無能商事株式会社」のあらすじだが、高度成長期のサラリーマン社会をよくとらえているハナシと言えよう。

さまざまなシチュエーション

さて「サイテイ招待席」の中では、古今東西のさまざまな世界から、バラエティ豊かなシチュエーションが登場する。手塚自身が言う。「ここに収録されたシチュエーションが奇妙キテレツ、SF的で、バカバカシしい。だが、それに巻き込まれたフースケが、あっけにとられてウロウロするさまは、現代人のうろたえぶりとちっとも変らないはずである。フースケがその不条理ぶりをどうやって克服するか、浅チエを楽しんでいただければよいのである。」(講談社版手塚治虫全集・フースケ、あとがき)

そこに様々なナンセンスな笑いが生じてくる。爆笑、冷笑、微笑、苦笑、さまざまな笑いが、人の心をゆするのである。

例えば、「ゲテもの」と題された一編では、江戸時代の初め、大久保彦左衛門の頃にシチュエーションを設定している。その頃、食い物とくれば、極め付きのゲテもの好きの殿様がいて、そのお相手に選ばれたのが、下村風介なるサムライだ。毎晩のように、ヘビの天ぷらとかネズミの糞のつくだにとか、げじげじの三杯酢とかを、秘かに食いに出るのだが、そのお供して、殿と一緒に食するのが風介の役目だ。殿様のゲテもの好きは、戦国の昔、兵糧攻めにあった時の名残であった。

風介にとってはこれほどの苦痛はない。妻の前で嘆くと、賢妻の誉れ高い彼女は、「そのくらいのことで、長年のマイホームの夢を捨てろというの、この意気地なし」とどやされる。この賢妻は、すべて後ろ姿で描かれている。

やがてお家騒動が起きた時、風介は、大きな手柄を立て、家老に抜擢される。

「あーら、わが君」

と喜ぶ賢妻の顔が初めて正面から描かれる。その顔は、世にも稀なブスであった。それから風介が採用するお城の女中たちは、妻に勝るブスばかりである。下役の武士たちは嘆く。

「お家老のゲテもの趣味にも困るよなぁ」

また別の編では人間でないものに、人間であるフースケが手玉にとられるという漫画もある 。

「ペックス万歳」という話では、怠け者の会社員フースケが、銀座の路地裏で、男の一物が切られて落ちているのを発見、すわ大事件!と思いきや、それは頭を持ち上げ、足が生えて、フースケに近づく。キャーッと飛びあがるフースケ、小さな怪物がフースケの洋服の中に隠れて、その住まいにまで、ついてきて住みついてしまう。フースケはペックスと名づける。ペックスは、女性の尻を切り取ったようなメスをつれて来て、巣を営む。その巣はペースケが出すごみを集めて作られている。

すると子供が一晩に四,五匹生まれ、それがネズミ算式に増え、たちまちフースケの部屋いっぱいになる。それが広がり、東京中の道路はペックスで充満すが、街のごみはきれいになくなり、そこから、さまざまな滑稽な事件が起きるといった、架空の生き物が社会的大騒動を起こすという作品である。

また、「敷金なし」という漫画では、家の建物がフースケの相手役になっている。安サラリーマンのフースケは、安い引き越先を探している。とある新聞に、敷金なしで相当立派な家の賃貸広告が出ていた。こんなことはあり得ないと思いながらフースケが出かけてゆくと、真新しいモダーンな家で本当に敷金なしで貸すという。

大家のおばさんが言うことに、「この家は去年亡くなった主人と私が建てたもので、子供の無い私共は、娘のようなつもりで建てたのですが、一晩、この家に寝ると、みなさんお断りになるのです」

という。フースケはその家をあえて借りるとさまざまな、異変を経験するといったものがたりである。その怪異と暮らすフースケの姿が、読者を笑わせる作品である。

SF的なシチュエーションとしては、「月に吠える女たち」という作がその一例である。

大阪万博会場で、月の石を売ったところ、売れに売れたので、宇宙船「アポロ」に月の石を何度も取りに行かせた。月の表面がその為,テカテカに禿げた。禿というものは光るもので、禿げた月の光はカッと、地球を照らした。そのことが女性の性ホルモンを刺激した。人間の女の体は月に関係がある。ある夜地球の全女性の性欲が爆発、男であればどんな男にも、女性が襲い掛かるという事態になった。女性に襲われないのはフースケぐらいのものだった。女に襲われる男たちはフースケを羨ましがった……というように話が展開する作品であった。

ナンセンス漫画の革命

このように手塚は、笑いのシチュエーションにバライエティーを持たすことにより、今までにないナンセンス漫画を作り上げていったわけである。「サイテイ招待席」シリーズは手塚の大人向けナンセンス漫画の頂点を示す作品と言えよう。手塚自身も、小島功や、サトウサンペイや鈴木義司や、親友の馬場に負けるものかと、力を入れたに違いない。

漫画のコマわりの仕方や吹き出しの文字は手書きで入れてゆくというナンセンス本来の手法を用いながら、漫画集団の仲間とは全く異なった笑いの創出に成功したのである。それも集団の仲間がやらなかった、あるいはできなかった一篇24ぺージという長編をもって創出したのである。

手塚自ら次のように書いている。

「物語を映画的に展開しただけの劇画やストーリー漫画に、物足りなさや心細さを感じていましたから、漫画本来のユーモアやオチの面白さを、大人漫画雑誌に書くことで勉強しようと思いました。

時によっては編集者に『手塚さんは、どちらかというと、大人漫画の方がいきいきとして活気があるようにみえる』といわれたことがあります。ある程度のおとなっぽさと、思い切りの風刺や皮肉をかきまくることが、ぼくにとってはカタルシス(気分晴らし)になっていたことは事実です」(講談社版手塚治虫漫画全集・すっぽん物語、あとがき)

勿論フースケ物の他にも、傑作ナンセンス漫画は多数ある。たとえば「セクソダス」「品川心中」「すっぽん物語」等々であるが、一応フースケ物に、それらを代表させて、この編を終える。(続く)

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